
多様化、複雑化の時代だからこそ「共創」が大切!!
知識を増やすだけでなく、思考して脳に汗をかかせろ!!
皆さん、改めてお早うございます。今朝、皆さんの元気な姿に会えて、とても嬉しいです!!そして、この夏も非常に暑かったですよね。東京では35℃以上の猛暑日が過去最多で、最長記録を更新しました。昨年7月に、国連事務総長のアントニオ・グテーレスさんが世界各地で猛暑が続いていることを受け、「沸騰化の時代」と警告していましたね。正に、「沸騰化の時代」に入ったのかなと感じています。暑さが続く中で、皆さんの熱中症対策、感染症対策の基本的な取り組みなどで、特に大きな事故もなく、2学期を無事に迎えることができホッとしています。2学期は桜花祭、宿泊行事、合唱コンクールなどの学校行事が多くあります。また、クラブ等では新人大会や発表会があります。それぞれの目標に向けて「共創」し取り組んでください。
さて、デジタル・情報化時代、便利になったことが多くある中で、課題も多くあります。今日は2つの事例から2つキーワード「共創」「脳に汗をかかせろ」についてお話をします。皆さんの考えるきっかけとしてもらえればと思います。
一つ目は多様化、複雑化の時代だからこそ「共創」が大切!!
皆さん「QRコード」ご存じでしょうか?もう知らない人はいませんでしょう。毎日のように見ているのではないでしょうか。または、ほとんどの人が使ったことがあるのではないでしょうか。碁盤上に並んだ碁石のように並んだ黒と白の並び。この中に多くの情報が入っていますよね。テレビが白黒の時代、有線のダイヤル式の黒電話の時代に小・中学生であった私から言わせれば、驚愕ですよね。
この夏、高校生のオーストラリアスタディーツアーで成田国際空港に行きました。出国のために荷物を荷台に乗せて預ける際、トランクにQRコードがついている短冊をつけますが、QRコードに読み取り機をあてるでもなく、荷台に乗せたトランク位置が多少ずれていても、光がしっかり読み込んで、目的地に向けて運んでくれる。しかも、到着までの移動のプロセスで何回も同様にチェックが行われているのでしょうね。まさに「世界標準」なのですね。凄いなと感心しました。
帰国後、8月23日(土)にNHKの「新プロジェクトX~挑戦者たち~」で、この「QRコードの開発」の開発者について紹介されていました。開発したのはIT関係の業界ではなく、自動車の部品の開発等を扱うデンソーです。1994年にデンソーウェーブの技術者である原昌宏さんが、自動車製造現場の「1次元バーコードでは情報量・読み取り速度に限界があり、いくつもバーコードをチェックしなければならない」という要望があがり、解決のために開発を進めました。開発までのそのプロセスには様々な苦労があったようです。関心のある人は再放送やデンソーのHPを観てみるといいです。原さんは子供の時に、父親から「蒔かぬ種は生えぬ」と教えられており、その通り、開発にあたって仲間たちと種をまき続け、チームで「共創」し、QRコードを開発しました。開発に苦労していたときのターニングポイントは数学にも黄金比がありますが、黄金比率の発見だそうです。黒と白の幅が「1対1対3対1対1」という黄金比率の発見ですね。電車の中からビルの窓の並びを見たときにこの着想を得たそうです。その結果、2次元で、小さなスペースに表示が可能、360°どの方向からでも、読み取りが可能、3ヶ所の切り出しシンボルがあり、背景模様の影響を受けない安定した高速読み取りが可能。また、汚れ・破損に強い。さらに、原さんは開発したものをより多くの人に使ってもらうことこそが、技術者の使命と考え、企業間の「共創」が大切であるとして、特許を開放しました。QRコードを「普及させ社会に役立てたい」という思いから、国際標準化を進め、誰でも無償で利用できるようにしました。このことで、現在では様々な産業の生産性向上や、決済システム、安全な駅のホームドアなど、世界中の日常に溶け込んでいます。会社の垣根を超えた「共創」が各業界で進んでいますが、30年前にその考えがあったのですね。
二つ目は知識を増やすだけでなく、思考して脳に汗をかかせろ!!
スマートフォン、タブレット端末、ネット利用、生成AIの使用について、皆さんは勉強以外での使用時間は何時間でしょうか?時間があるとついスマートフォンを触ってしまう、というならまだしも四六、時中、見ている状態は健全とは言えません。先日、愛知県豊明市は、仕事や勉強など以外で、スマホやタブレット端末を使用する目安を「1日2時間以内」とする条例案を市議会に提出しました。法令でスマホの利用を制限する是非はともかく、日常がスマホ漬けでいいのか、ということに一石を投じています。その背景にあるのはSNS上のいじめや、ゲーム依存、学力の低下があります。文部科学省が2024年度に小学6年と中学3年の学力の変化を調べたところ、大幅な低下が確認されています。2024年度「経年変化分析調査」の結果では、前回21年度と比べて全ての教科で平均スコアが下がり、中3の数学以外は10点以上低くなりました。最も低下したのは英語の22.9点減でありました。スマホの利用時間の増加が一因とみられて、深刻な結果だと言わざるを得ないとしています。
海外では既に、オーストラリア、ニュージーランド、フランスをはじめ、国が子供のスマホやゲーム、ネット利用を制限する動きが広がっています。スマホやゲームに費やす時間が増えた影響も大ですが、学習時間が減少しただけでなく、「集中力の低下と注意散漫」、「思考力・長文読解能力の衰え」、「手書きの機会の減少」なども原因と考えられています。
情報化社会において、スマートフォン、タブレット端末、ネット利用、生成AIの使用について、制限するぞと言われなくても、皆さんにはデジタルの活用の仕方・方法について考えて欲しいです。大切なのはデジタルで得られた知識をため込むだけで、受け身にならないこと。自分で能動的に「考える」ことが大切です。得た知識はとても大切ですが、与えられた知識はあくまでも借りものです。知識と言う土台の上に、知的活動である思考があります。頭の働きによる思考は自力によるものです。思考して脳に汗をかかせ、思考力を伸ばし「創造力」を伸ばすことが大切であると考えます。
いよいよ、2学期が始まります。今日話した2点
◎学習や桜花祭、宿泊行事、合唱コンクールなどの学校行事、部活動、委員会活動などで「共創」を意識して活動すること。
◎知識をため込むだけでなく、その知識を土台にして、知的活動である「思考」をして脳に汗をかかせるようにしてください。
私からは以上です。