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修了式 校長挨拶
2025.03.21

 

「桜守」と「能ある鷹はツメを○○○」の話

三学期の始業式で話したのは二点でした。谷川俊太郎さんの話しを通して、「日常の些細なことでも感謝を感じ、互いに感謝のキャッチボールできるようになると、小さな感謝で一杯になり、農一は皆さんにとって、ますます素敵な学校になります。」と話しましたね。稲花小学校の卒業式の式次第をみて、校歌の作詞・作曲はなんと谷川俊太郎・賢作さんの親子によるものでした。身近なところに谷川俊太郎さんが存在していました。

そして、もう一つは、SNSの活用について。長時間の使用や、誹謗中傷、いじめ、不適切な画像・動画の掲載、闇バイト、フェイク、ゲーム依存、インターネット依存など。犯罪などに巻き込まれないようにして欲しい。思考力、創造力を向上させ、重要なことに気づく感性とそれを応用する知性を身に着けるよう努力することが大事であると話しました。皆さん、SNSは大丈夫でしょうか。十分に注意をしてください。

さて、今日は今年度最後、修了式となります。今年度の初め、昨年4月の始業式・入学式で、何十年かぶりにソメイヨシノが満開で、みなさんを迎えてくれました。そこで、桜にまつわる話をしました。今年の桜開花予想では、今日、明日でしたが来週に延びたようです。いよいよ、桜が開花します。最後も、本校のシンボルツリーである桜にまつわる話を一つしたいと思います。

「桜守(さくらもり)」をご存じでしょうか。さくらを育て、全国の名桜を保存する方です。その桜守16代目佐野藤右衛門さんのお話しを交えて桜についてお話をします。現在の藤右衛門さんは1832年より、植木職人として京都・仁和寺御室御所に仕える「佐野藤右衛門」の16代目となります。その方が「桜は『守り』をして継いでやらな、絶えてしまう木なんです。」と話しています。桜は300種類以上あるそうですが、そのうち種から育つ桜は3種、山桜、大島桜、彼岸桜だそうです。この3種がいろいろな桜のもとになっています。本校に多くあるソメイヨシノも江戸末期に豊島区で誕生したとされていますが、オオシマザクラとエドヒガンの雑種と推定されています。挿し木や接ぎ木でしか増やせないので、どのソメイヨシノも遺伝子的に同じ性質を持ったクローンです。だから、一斉に咲くのですね。そして、佐野藤右衛門さんは「春になって、つぼみがふくらんできた状態を『笑いかけ』と言いますが、わしは桜がやさしく微笑むこの瞬間がいちばん嬉しいんですわ。」と。咲く直前にある今がまさに「笑いかけ」ですかね。「笑いかける」は笑いそうになる という意味もありますが、相手に「笑い」や 「微笑み」を届けるという意味もありますよね。赤ちゃんに笑いかけたなど。また、「多くの花は太陽に向かって咲くのに、桜は下を向く。それだけ人を包み込んでるようだ。」とも話しています。桜は本校のシンボルで、ソメイヨシノをはじめ多くの桜が本校を包み込んでくれていますが、桜にまつわる校章、校歌、桜花祭、SSFなどの行事が多くあり、皆さんと農一を包み込んでくれている気がします。また、佐野藤右衛門さんは、たいていの人は、桜を見るのは1年のうちで満開の時だけですけど残りの360日が大切ですと話しています。桜を春夏秋冬の四季を通じて見守ることが大事です。この話をきいて、私も咲いているときだけに注目していたような気がしました。桜を一年通して観ることで桜への理解がより深まるということです。このことは桜だけでなく、物事、一部分だけ見るのでは理解が深まらない。勉強にしても、部活動にしても、委員会活動にしても全体を見ることが大切です。俯瞰してみる力を養うことが大切であると改めて思いました。

そして、もう一人。「能ある鷹はツメを〇〇〇」の丸に入る言葉は何でしょう。・・・・。「かくす」と答えた人、もちろん正解です。でも、本田技研工業の創業者である本田宗一郎さんは違います。戦前から戦後にかけて自動車修理工場で技術を身に付け、一代でHONDAを築き上げた人です。本田宗一郎さんは失敗を恐れず、何度も挑戦し、何度も失敗し続けた上で成功を掴み取った人です。日本においても、世界においても、本田宗一郎はユニークな経営者とも言われています。「一つのことをやり遂げるには創意がいる。工夫がいる。そして、失敗を恐れない勇気が必要だ。失敗を深刻に反省するところから成功は生まれるのだ。」と話しています。その本田宗一郎さんはなんて言ったでしょう。「昔から『能ある鷹はツメを隠す』というが、まずは失敗を恐れず、そして大いに爪を磨いて、その能力をどんどん表すことだ。『能ある鷹はツメを磨け』である。」と話しています。今日の修了式で皆さんに言いたいことは、今年度を振り返って、来年度の計画を立てるとき、「夢や希望、目標を持ち、決して失敗を恐れるな」です。言うのは簡単だ。成功者だから言える──そう思ったりもします。しかし、成功者とは挑戦と失敗の体現者なのです。だから彼らの短い言葉には人生の要諦が詰まっています。挑戦と失敗は対極にあるのではなく、二人三脚であると知れば心置きなく挑戦することができる。成功は挑戦の先にあります。次年度に学習や、部活動、委員会、趣味も含めて目標を立てる際に、失敗を恐れることなく計画を立ててください。

最後に、春休みには,病気や怪我に十分注意をして過ごし,4月8日の始業式に皆さん揃って,会えることを期待して、私の挨拶とします。