皆さん、おはようございます。本日で、1学期は終了します。充実した学校生活は送れたでしょうか?
学習活動、行事、部活動、委員会等、盛りだくさんでした。特に、行事ではサクラスポーツフェスティヴァル(SSF)、クラスマッチ、中1宿泊研修、中2アチーブイングリッシュキャンプ、高2カナダ、シンガポール・マレーシア、沖縄修学旅行、キャリア授業、進路講演・ガイダンスなど、本当に多くの行事がありました。中でも、SSF、クラスマッチ、高2修学旅行では、生徒の皆さんが共創して一つの行事を創り上げている姿を見て感心しています。SSFの委員達が先生方を教室に集め、企画・運営について説明して、修正してより良いものにブラシュアップしている姿には感動しました。高2修学旅行についても、各班の生徒たちが運営をしていました。先日、二人の生徒が沖縄班の生徒が一番楽しかったと思う、カナダ班の生徒が一番楽しかったと思うとお互いに話していました。また、他日、シンガポール班の生徒も同様なことを言っていました。それぞれの班がそう感じてくれていることはとても嬉しいことです。比較とは違い、どこが一番でなく、皆が誇りに感じていることは、そのことが高2全体としてますます良い方向に進んでいくと確信しました。2学期は桜を冠する「桜花祭」があります。既に、準備を進めていると思います。それぞれの参加団体が「共創」して、それぞれが文化祭に向けて「DASH」してください。そのことが、農一全体を「DASH」することになります。また、学校行事だけでなく学習、部活動、委員会等についても「共創し新たなステージへ」を実行してください。
さて、私からの話は長期の夏休みに向けて、
一点目は興味関心のある事や現在取り組んでいることを、深く探究、追及すること
二点目は夢や希望、目標を持ち、決して失敗を恐れない
一点目は以前お話しした内容に関連して例を二つ上げます。今年、1月の始業式でお話しした、新札が7月3日に発行されました。私はまだ、渋沢栄一、津田梅子、北里柴三郎の新札をまだ拝見していません!皆さんはもう、実物をご覧になりましたか。私は特に新千円札の裏面が見てみたいです。裏面には冨嶽三十六景の「神奈川沖浪裏」がデザインされています。(提示1)こちらになります。高く激しく渦巻く波と波に揉まれる三艘の船、それらを目前にしつつ、うねる波間から遥か彼方にある富士の山を垣間見るという、構図となっています。一筋一筋の水の流れ、波のうねり、波の沿わせた船の動き、富士山のなだらかな稜線といったものは全て育重にも折り重なる対数螺旋の構成となっています。「神奈川沖浪裏」は、富士山を中央に据えた一点透視図法で描かれた単純な構図の作品ではなく、人間が美しいと感じる「黄金比率」で構成されていて、綿密な分析で生まれたものと分析する研究者もいます。(提示2)黄金比とは、古代ギリシアの数学者が最初に発案したといわれており、近代になって「黄金比」と名付けられ、今もなお使われ続けている比率のこと。 「人間が最も美しいと感じる比率」といわれています。(提示3)こちらになります。例えば、フィボナッチ数列と共に自然界にも多く存在するといわれる黄金比について調べてみると面白いかもしれません。
もう一つ、私が4月始業式で本校のソメイヨシノが入学式、始業式を満開の桜で、迎えることができたと話したと思います。桜は校歌、校章、行事の名称にもなるシンボルですよね。その話の中で、桜は菊と並んで日本を代表する花で、松尾芭蕉の桜にまつわる句を紹介しました。その後で国語科の先生から桜といえば、平安時代末期の歌人・西行を連想する人も多いのではないでしょうかとアドバイスを受けました。そうです、西行法師ですね。西行は23歳のときに、「花の寺」といわれる、山が桜の木に覆われた京都西山の勝持寺で出家しました。出家したあとは、各地に小さな小屋を作って隠者のように暮らし、諸国を巡る旅に出ました。そこで多くの和歌を作り、西行は生涯で約2090首の歌を残しました。そのうちの230首で桜を詠んでいます。凄いですね。どうか、春の、桜の花の咲く下で死にたいものだという歌も詠んでいます。西行にとって、桜とは、恋焦がれる対象、高貴なものや天上へのあこがれ、生命への賛歌であったなどと、いろいろな説があります。
桜については西行以外にもいろんな人が読んでいます。NHK大河ドラマ「光る君へ」で放映もされている紫式部は『源氏物語』の中で桜に一定の役割を与えているようです。また、清少納言は『枕草子』の中で、桜の美しい風情について描写しています。清少納言は、桜よりも梅のほうが好きだったようです。
「桜」への想いや桜をどのように描いていてきているかは人それぞれで、桜という切り口からそれぞれの古典文学を楽しんでみるのもよいのではないでしょうか。
今、二つ、「神奈川沖浪裏」から黄金比についてと桜を通して西行、紫式部、清少納言少し触れて紹介しました。本当に入り口ですが、この夏期休業日期間中に、中等部の課題研究や研究室訪問のように、何か一つ興味のあること、楽しそうと思えること、とことん考察、研究することをしてください。他にも、例えば部活動についてはフォーメイション、コンビネーションについて研究する、好きな作家について本をすべて読む、好きな作家が尊敬する人の本を読む、キャリアについて調べるなど様々です。
二つ目は、以前にお話ししたことの確認です。夏休みの計画を立てるとき、「目標を持ち、決して失敗を恐れるな」です。挑戦と失敗は対極にあるのではなく、二人三脚であると知れば心置きなく挑戦することができます。成功は挑戦の先にあります。この夏休み、学習だけでなく、部活動、委員会、趣味なども含めて、目標を立て、失敗を恐れることなく小目標スモールステップで一つ一つ継続して取り組んでください。そうすれば、力を蓄え、桜のように見事な花を咲かせ、大きく成長するでしょう。
最後になります。この夏休み、くれぐれも、熱中症対策やインフルエンザ、コロナ感染症対策を含めて、体調管理をしっかり行ってください。そして、事故や犯罪等に巻き込まれることのないようにすること。夏休み明けの9月2日の始業式で、皆さんの元気な姿に会えることを楽しみにしています。
私からの話は以上となります。