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3学期始業式校長挨拶

皆さん、新年明けましておめでとうございます!

寒い日が続いています。現在、新型コロナ感染症対策に加え、インフルエンザにも注意する必要があります。そのような中、冬休み期間中、高校3年生が毎日のように、自習室、教室等に登校し、自習や講習にて目標達成に向けて頑張っている姿がありました。また、部活動に取り組む元気な生徒の姿も多くありました。この冬休みも頑張っている多くの生徒の姿があり、感心しました。そして、今日、大きな事故もなく、皆さんの元気に登校してくる姿をみて、3学期を迎えられ、ホッとしています。

しかし、新規コロナ感染者数は依然多い状況が続いています。収まる気配がありません。「感染しない、感染させない」をモットーに感染症対策、マスク、換気、黙食、手洗い、うがい、ソーシャルディスタンス、健康チェックを引き続きお願いします。ドイツのメルケル前首相がこう訴えています。「薬等を除いて、最も効果的な方策は私たちの手中にある。一人ひとりがルールを守ることです」と。決して気を緩めることがないようにお願いします。

さて、今日は2点お話しします。1点目は新年の目標についてです。2学期終業式にお話しした新年の目標を定めたでしょうか。「1日の計は朝にあり、1年の計は元旦にあり」という話をしました。新たな年の初めの節目に目標や目当てを持つことが、その年を充実させるためにはとても重要です。是非、未だの人は目標を持つようにしてください。目標を達成するための方法は以前から話している通りですが、デカルトの「方法序説」にも「困難は分割せよ」という教えがあります。困難な目標を達成するためにはスモールステップで計画を分割し、コツコツと積み重ねることが大切です。小さな成功体験が一つずつ積み重なって最終目標の実現がより具体的になってきます。毎日小さな新記録、自己ベストの更新を目指すことが大切です。小さな成功体験が一つずつ積み重なって最終目標の実現がより具体的になってきます。目標が新しい勇気をもたらし、再び強い気持ちにしてくれます。

2点目は俯瞰する力を養う!です。初めに、読書を例に話します。これから話すことは、読書に限らず、学習、部活動など全てについていえることです。以前、高校の「進路だより」や各学年集会で読書、読み解く力が大切であるという話はさせていただいています。10分間の短い時間でも、通学時間を利用してもよいです、毎日の読書する時間を大切にしてくださいと。大学受験だけでなく、社会に出てからも必要だと。今日は読書の思考をさらにワンランクアップ、広げ、次のステップに進むための方法を紹介します。

以前紹介した東大の特任教授であった立花隆さん。「知の巨人」といわれていた人です。その立花さんが読書について、「若いときは、何をさしおいても本を読む時間をつくれ」、また、「ものを考えるには、本を読むことが最も大事」、さらに、「本を読むにあたって一番大事なのは面白がって読む」ことだと話しています。そして、ここからが大事で、更に、「本来なら一冊の本はありえない。」と。沢山の本の中にあって初めて、一冊の本は意味があると。孤立した一冊の本ではなく、「本の世界」というものと向き合うことが大切だと。どういうことかというと、芥川龍之介の短編集だって、一冊だけで孤立しているわけでなく、その周りには師である夏目漱石の本、師ともいえる森鷗外の小説、萩原朔太郎、ニーチェなどなど、芥川龍之介に影響を与えた人達がいます。本の世界は、1人の著者が何人もの著者にバトンを渡していく。受け取った何人もの著者がまた走って行って、更に何人かバトンを渡すという仕組みで次々とつながっていく。本を読む際にはその経路を考えながら本を読めば、本が更によく理解ができるようになります。まとめると、その一点だけでなく、全体を関連付けながら体系的に、俯瞰してみること、考えることも大切であるということです。

このことは、学習面でも同じです。例えば、各教科・科目も単元ごとに独立してみるのではなく、それぞれの単元の関係も考えると、理解が一層深まります。数学でいうと、2次関数単独で観るのではなく、3次関数、曲線、指数・対数関数、微積等とトータル的に俯瞰してみると理解が深まります。理科、社会等も、教科の枠を超えて、その時代、世界の背景から考えるとさらに深まります。また、部活動でもいえます。試合中にコート全体を俯瞰して見られる、また、俯瞰しながら予想し、動ける学校がいい試合をしていますし、本当に強いですね。練習の際に、それぞれのメニューを単独として捉えるのではなく、頭の中で関連付けながら、練習するのです。是非、今年はそういった視点も持てるようにして、以前お話ししたエンジンを積んで自分の頭で考え、自力で飛びまわれる飛行機型の人間、力を身に付け、俯瞰する力を身に付けてください。

最後に高校3年生、この冬季休業日期間中も寒い中、登校し目標に向けて取り組んでいる姿を見て、校長としてもとても感心しています。もちろん、学校に登校していなかった生徒達も自宅や、塾等で取り組んでいたことでしょう。学年便りAWAにも書きましたが、ここまで来たら、不安を解消するのは、平常心で、焦ることなく、淡々と、一歩一歩、最後まで計画通りにコツコツと積み上げることです。自分を信じることです。応援しています。そして、成果を十分に出すために、新型コロナウイルス感染症対策、併せて、インフルエンザ対策も含め体調管理を徹底してください。

私からの、始業式の挨拶は以上となります。

東京農業大学第一高等学校・中等部 校長 幸田 諭昭